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アパート売却時の税金、消費税対策する方法を宅建士資格者が解説!

アパートの不動産投資
税金、消費税対策とは?

アパートなどで不動産投資を行う際には「出口(売却)戦略」も念頭に考えることがとても重要になります。不動産での資産形成に重要なポイントとなる売却に関わる「税」について解説いたします。

1.課税される税金の種類とは

アパートを売却にも税金の種類があるクマ??知らなかったクマ!


アパートを売却した際にはその譲渡益についての「不動産譲渡所得税」と「消費税」について注意しなくてはいけません。特に収益不動産の譲渡所得税は住宅用の不動産を売却時のように軽減が適用されません(事業用投資物件は除く)。売却を考える時にはその前に、保有期間や譲渡費用等の計算方法をきっちりと試算しておく必要があります。これらについては売却後に気付いても修正のしようがありません。

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2.期間と取得費、譲渡費に注意すべき譲渡所得税

5年以内と以降ではかかる税金が違ってくるクマよ!


アパートの売却は年数?
5年以内では税金が高い?

●他の収支と通算できない分離課税
不動産譲渡所得税とは売却時に得た利益に対して課税されます。そしてこの税金は個人が申告する場合「分離課税」という税務処理で扱われます。その物件の収益を他の収支とは別に算出することになります。
もっとわかりやすく言うと…
年間の賃貸事業で空室や設備費などで収支がマイナスになっても、その物件の売却で利益が出ても通算してもらえるのではないということです。ただし、2戸以上の不動産を売却して譲渡益が出た物件と譲渡損が出た物件は通算して課税することができます。そして法人の場合はその賃貸事業の売上と合算処理が可能です。
●不動産譲渡益から差し引くことの出来る費用
売却時に利益が出た場合はその利益分について課税されます。利益とは購入費と売却額で単純に差額を求めたものではありません。売却益から次の費用を差し引いて計算されます。
・取得費
・譲渡費用

取得費とは購入した時の費用ですがその計算方法には2種類あり、どちらか大きい金額となったほうを使うことができます。
①概算法:売却額×5%
②実額法:次にあげる取得費になる金額を実際に計算する方法
・土地購入費
・対象不動産を取得した際に収めた登録免許税、不動産取得税、印紙税、(業務用ではない不動産)
・借主がいた場合の立ち退き料など
・埋め立てや土盛りなどの造成費用
・取得の際の支払った土地測量費等
・更地にすることが目的で購入した古家付きの家などを取り壊した際の費用
(取得から概ね1年以内)
・取得するのに借り入れた資金のうち実際に使用する日までの期間の利子
・建物の減価償却費

古い物件を相続した場合など全く取得費が不明な場合は概算法を使います。建物の減価償却費の計算例は次のようになります。
築8年の3000万円(建物価格)の木造アパートの場合(構造により償却率が変わってきます。)
3000万円(購入額)×0.9(規定値)×0.031償却率)×8(経過年数)=約670万円
譲渡費用とは次のような支出を言います。
・売却のために支払った仲介手数料
・印紙税で売主が支払ったもの
・賃借り人に家を明け渡してもらう時に支払った立ち退き料
・更地にして売却した場合にはその建物の取り壊し費用

賃借り人については入居者付きで売り渡す事が一般的ですが立ち退いてもらった場合はその費用も参入できます。購入希望者が更地での引渡を条件とした場合などは取り壊し費用も適用されます。しかし不動産に抵当権がついており、売却につき抹消を行った際の費用については対象外です。
相続や遺贈により取得した不動産は全所有者の取得費用とその時期も引き継ぎます。所有していた期間は後述する際の税額計算に大きく関わってきます。
●税額の計算方法
譲渡益から差し引かれる費用がわかったところで、実際に税額がどれくらいになるのか試算してみましょう。
※平成20年に5000万円(土地3500万円 建物1500万円)築8年のアパートを購入し、平成28年に5500万円で譲渡した場合。(譲渡費用は250万円とします)
①まずは取得費を求めます
3500万円(土地)+{1500万円(建物購入額)ー334.8万円(減価償却費}=4665.2万円
②次に譲渡所得を計算します。
5500万円-{4665.2万円+250万円}=584.8万円
③譲渡所得に税率を乗じます

譲渡年の1月1日時点での所有期間 所得の区分 税率
5年を超えている 長期譲渡所得 20.315%
(国税15.315%)
(地方税5%)
5年以内 短期譲渡所得 39.63%
(国税39.63%)
(地方税9%)

この例では8年間保有しています。長期の譲渡所得に該当するため上記表の税率20.315%を乗じます
584.8万円×20.315%=約118万円 となります。
税率については所有期間についての規定に特に注意してください。例えば平成20年の8月に購入したので、平成25年の9月に売却すれば丸5年が経過しています。しかしこれは短期譲渡所得に部類されます。譲渡した年の平成25年1月1日時点ではまだ4年と4カ月なのでこちらに該当してしまうのです。短期での譲渡は税率を見るとわかりますがその税額も約2倍になってしまいます。
さて譲渡所得税を差し引いた売却益(キャピタルゲイン)はいくらになったでしょうか。
5000万円で購入して5500万円で売却
譲渡費用に250万円かかり、譲渡所得税が118万円です。
5500万円ー5000万円ー250万円ー118万円=132万円
なんとか利益を生み出していますが、8年間それほど家賃収入が上がっていない場合は、トータル的にマイナスになってしまうようなぎりぎりのラインではあります。
そしてさらにもう1点注意すべき税金があります。

3.個人賃貸業の落とし穴、売却時の消費税について

前々年度の売上高が1000万円を超えていると課税事業者に該当するクマよ!


収益不動産で一般住宅の賃貸事業を行っていたのであれば入居者は家賃に消費税を支払っていません。消費税を受け取っている事業ではないのにどうして消費税を収めないといけないの?と思うでしょう。
不動産を売却する時にはその建物について買主が消費税を支払った消費税を受け取ります。それを納める義務が発生するのは消費税の課税事業者です。個人の場合は前々年度の売上高が1000万円を超えていると課税事業者に該当してきます
さきほどの計算例の建物で償却費を引いて建物の売却額を出してみると約830万円です。これに対しての消費税受け取り額は約66万円です。1000万円の売上がない非課税事業者ではたとえ受け取った消費税でも申告義務はありません。しかしもし家賃収入で1000万円以上の売上をあげていたり、別に事業所得が1000万円以上の売上が上がっていたりするとその66万円は納付しなくてはなりません。

今回の計算例では比較的長期に所有していたことと、500万円の差額で売れたことでなんとかキャッシュアウトは避けられています。所有期間や売却額によってはマイナスになってしまうケースはこれらについての試算をせずに売却してしまう場合です。
収益アパートを売却してキャピタルゲインを狙う時は
1、所有期間による税率と、取得費・譲渡費用を試算し、
2、消費税の課税事業者に該当しないかどうかを充分に考慮したうえで売却額を決めなければいけない
ということになります。さらには最初からキャビタルゲインを考慮したアパート経営をしたいのであれば、購入前の時点からこの程度の試算はしておいたほうがより実質的な出口戦略をたてられるでしょう。

 

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このページでわからない点があれば教えて下さい、不動産一括査定牧場のFPが確認後回答致します。


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