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サブリース契約とは?トラブルに発展?宅建士が売却のメリットと比較!

サブリース契約とは?トラブルに発展?宅建士が売却のメリットと比較!
所有している不動産をサブリース契約で賃貸にするという方法があります。一方でトラブルも多く、最悪の場合は売却も困難だとか…一体どういうことなのでしょう。解説させていただきます。

1.サブリース契約とは?

まずはサブリース契約の特徴についてまとめてみましょう。


①サブリースは一括借り上げシステム
サブリース契約とはリース(賃貸借契約)を大家と入居者間で直接締結するのではなく、その間にサブリース管理会社が介入するという仕組みになっています。

大家が賃貸し人、サブリース会社が賃借り人となり入居者は転借り人という立場になります。
図1
上の図でもわかるように、大家と入居者が直接契約を結ぶ形ではありません。家賃のやり取りも行いません。入居者から受け取った賃料に対し、管理会社が何パーセントかの管理料を差し引き、残りが大家に支払われます、介入するサブリース会社が全ての部屋を一括で借り上げた上で転貸するので、「一括借り上げシステム」とも呼ばれています。アパートやマンション経営向けに注目を集めたシステムですが最近では区分マンション投資を行う人を対象にしたサブリース契約も登場しています。
②サブリース契約のメリットとは
サブリース契約の仕組みには様々なメリットが含まれています。
1.家賃保証契約により、空室でも大家には家賃収入がある
2.入居者募集もサブリース会社に任せられる
3.家賃滞納者や苦情などの対応などに悩まされない
4.サブリース会社が建物の維持、管理も行う不動産管理会社の役目も担ってくれる
5.一括貸しなので確定申告などの経理処理が簡単

所有者が入居者との賃貸契約の当事者になる一般的な賃貸経営の場合とはその労力が全く違うという事がわかります。空室でも家賃が入るという魅力や、管理を一切任せられるという点から会社員など本業のある方や、初めての不動産投資に不安を感じる方などがリース契約を選択するようです。しかし近年はこのサブリース契約で様々なトラブルが浮彫になり問題となっているのです。

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2.サブリース契約で問題となっている内容とは

メリットを見る限りでは安心して賃貸経営を始めることのできるとてもいいシステムに思えます。


しかし各地で大家とサブリース契約会社との間で争いが発生しています。2017年の2月にレオパレスでサブリース契約をしている大家から提訴がありました。主な内容は「家賃保証が嘘だった!」というものです。

サブリース契約がトラブルに発展する原因を見ていきましょう

①免責期間が設定されている
サブリース契約締結後は管理する会社にとって、広告代や営業活動費などの費用がかかってきます。しばらくの間は家賃を支払わなくてよいという特約が設定させていることが多いのです。2~3か月の期間であれば一般的な契約と言われていますが、半年以上の長い免責期間を設けているリース契約も存在するそうです。アパート建築の費用等で融資を受けている人は返済が持ち出しになってしまいます。

②唐突な家賃の値下げ
家賃が保証されるというのが最大の魅力であるサブリース契約。「30年間保証!」など長期の契約期間で家賃保証をするサブリース会社もあります。しかしここに落とし穴があります。この家賃保証はずっと同じ金額の家賃を保証するものではないのです。契約書には「近隣の相場に併せて家賃の見直しをする場合がある」と必ず書いてあります。2年おきに見直すと定めている契約書が一般です。中には「予期せぬ市場の変化が起こった場合はこの限りではない」と更に大家に不利な特約が定めてある場合もあります。この特約を理由に家賃を唐突に下げられてしまうのです。

③設備投資、修繕、メンテナンスを強制
家賃の減額請求とは別に物件価値をあげさせるために半ば強制的な設備への投資を要求されるケースもあります。空室が続くとサブリース会社もマイナスです。設備投資をさせてさらに物件の魅力をあげたほうが満室経営もしやすくなります。その工事を依頼する業者の選択も見積もりもサブリース管理会社の指定通りにさせられます。お金のかかる設備投資を断ったがために家賃を下げられた大家もいます。

④入居者を選べない
契約上、借主はサブリース会社です。入居人はその転貸人でしかありません。どんな人を入居させるかについては所有者側からは介入できません。空室のままでは家賃の保証をしなくてはいけないリース会社にとっても痛手となります。そのためきちんとした人選をせずに取り敢えず入居させて満室にしてしまう場合があります。家賃を滞納され、もめたあげくにリース契約も解約されて、いざ物件をみにいってみると反社会勢力に属する人が入居していたという事例もあります。

⑤いきなりリース会社が倒産
空室が続くとリース会社は大家に支払う家賃が持ち出しになります。家賃の値下げや設備投資を行うなど様々な交渉に応じたにも関わらず空室が埋まらずいきなり倒産されるという事態にも発展してしまうのです。破産により契約の解除ができる場合が殆どですが面倒な手続きを踏むために一定の期間がかかってしまいます。その間の家賃収入はありません。

⑥解約すると入居者を全部退去させられる
不利な契約だと気付いたとしてもリース契約は大家側からの申し出では解約が難しい仕組みになっています。これについては後で詳しく解説いたします。解約ができた場合でもいざ物件を訪れてみると入居者がゼロになっていて、部屋がすべて空室になっているという悪質なリース会社も存在します。家賃の値下げに応じず、設備投資も行わなかったがためにリース契約をいきなり解約され、入居者を同じリース会社が管理する他の物件に持っていかれてしまうという事例です。

このように、サブリース契約での賃貸運営は、メリットだけに目がいき、リスクを考えずに契約してしまうと人が少なくありません。結果的にトラブルに巻き込まれる可能性が高くなり投資物件として機能しなくなってしまいます。ではなぜこんな大家にとって不利益な契約が存在できるのでしょうか。これには借地借家法の規定が大きく関わってきます。

3.借地借家法の規定ではサブリース会社が守られる

古い時代に制定された借地借家法の規定がサブリースという新しい契約の形に沿わないのでは?と争いのあるところでした。


①借主には家賃減額請求権あり
サブリース契約では大家と賃貸借契約を交わしている借主はサブリース会社です。借地借家法第32条では借主は大家に家賃の減額請求ができると規定しています。もし賃貸借契約の特約で「減額請求をしない」と明記されていても借主に不利な特約とみなされこの借地借家法の規定が優先されるほど強く守られています。

しかし2003年の最高裁判決ではサブリース契約にも借地借家法が適用されると明確な判断が下されたのです。ただし、裁判官の見解ではこのような規定を受けてしまうという契約であるという内容をあらかじめ当事者間ではっきりしておくべきだとも述べています。

借地借家法の規定が適用されるのであればそれを実務取引の場で明確にしない限りトラブルは絶えません。そこで2016年に国土交通省は賃貸住宅管理業者登録制度の規定を改正し、登録している業者へ「家賃減額の可能性」があることを事前に説明することを義務化しました。しかしこの登録制度そのものが「義務」ではなく任意であるという不完全な改正です。これでは国の監視の目が行き届かない状態は続きます。実際に争いを求められている不動産業者は登録をしていない会社ばかりです。

②大家からの解約はできない
借地借家法は賃借り人という弱い立場の人を守る目的で制定されています。同法第28条では大家は正当な事由がない限り、その賃貸借契約を解約できないと定めています。正当な事由とは自らが住まないといけなくなるような事情が出来た場合を意味します。サブリース契約にはこの規定も適用されてしまうのです。解約もできず、家賃の減額請求には応じなければならない・・・。このことが要因となり各地でトラブルが相次いだのです。

4.事の発端は急増した空室リスク

2008年のリーマンショック以降、法人が社員の住宅についての借り上げを急激に減らす対策に乗り出しました。


サブリース契約している賃貸物件ではその管理が簡素化でき、常に満室経営が確保できるように、各業者ともが法人契約をしているケースが多かったのです。不景気のあおりで会社は社宅用や寮としての賃貸物件のを提供していく福利厚生を縮小していきました。それに加えて少子高齢化による全国的な空室の増加です。家賃保証型のサブリース契約では管理会社にとっても収益をあげにくい状況になっていったのです。

5.サブリース契約なしの賃貸経営

サブリース契約での賃貸経営には、様々な問題点が浮き彫りになってきていることが理解いただけたと思います。


サブリース契約を利用しないでなるべくリスクを回避した賃貸経営にはどんな方法があるのかも見ていきましょう

①家賃保証会社を利用する
空室での家賃保証はないですが、入居者が家賃保証会社に加入することができると万が一滞納があっても保証会社が家賃を大家に支払ってくれます。最近では親族付き合いも薄くなり連帯保証人が取れない人のほうが一般的になっています。そういった意味でも保証会社の数やそのシステムは多様化しているので、利用することで滞納時のリスクには対応できます

②家賃一括査定システムで調べてみる
売却査定一括依頼ができるように、今では家賃の査定も一括でできるサイトもあります。最も妥当で高い家賃を提案してくれる不動産会社だけに限らず、どこまでの賃貸管理を任せるのか、それらの費用提示も行ってくれるため比較することが可能です。

③大家の会やセミナーを利用する
全国には様々な投資家が集まる「大家の会」があります。満室経営のためのノウハウやリフォーム事例、融資についての勉強会等が行われます。セミナーのあとには懇親会が開かれるのも一般的でそこで様々な話を聞くことができます。一人で悩む前に積極的に参加しておきたい集まりですね。

6.売却して資産の組み換えを考える

自己で賃貸経営することが難しい物件の場合は売却して資産を組み替えることも一策です。近年では不動産を購入して賃貸経営をすることが珍しくなくなってきています。先祖代々の地主的大家に限らず、サラリーマンや主婦たちも不動産投資に参戦しています。市況が活発なうちは売却のチャンスでもあります。

①賃貸中にして売却
もし入居者を決めることができそうな立地であれば、賃貸中のオーナーチェンジ物件として売却することもよいでしょう。オーナーチェンジ物件は買主がその日から家賃収入を得られるメリットがあるため初心者の投資家に売却しやすくなります。ただし、賃貸中になると内覧ができなくなってしまうため、空室のうちに物件内を撮影しておき、資料として保管しておきましょう。

②リフォームをして売却
収益物件、一般物件、いずれにしてもある程度のリフォームをして売却する人も増えています。すぐにでも買い手がつくような好条件の物件以外は何かしらの強みを持たせたほうが売りやすくなります。今はどんな物件もインターネットで検索されて購入が検討されます。サイト内で他の物件よりも一段を目を引くためには手つかずのままで売らないほうが堅実という考え方もできます。

③判断が難しいならとりあえず査定依頼
自分で賃貸経営するのには躊躇してしまう物件でも投資家からみると収益性のある「お宝」かもしれません。不動産投資の手法は投資家によって様々です。売却するか活用するかに迷ったときは一度査定依頼してみましょう。投資家の目に留まる物件なのか、一般売りですぐに買い手が見つかりそうな物件なのかのアドバイスも受けるようにします。

④売却と賃貸募集の同時進行、ハイブリッド型
究極の方法ですが売却と賃貸募集の同時進行という手段もあります。すぐに入居がつけばそのまま賃貸経営してもよし、オーナーチェンジ物件として売却してもよしです。どちらもなかなか決まらない場合はリフォームをしたり売り出し価格か賃料を見直したりという方法をとります。面倒くさいようにも思えますが意外にもこの方法で、最良の選択をする所有者もいるのですから一考ですね。


市況が活発なうちは売却のチャンスでもあります。

サブリース契約での賃貸経営には落とし穴が多く、自己で収益物件として活用するのにはかなりの賃貸経営スキルも必要。今は不動産投資で収益物件を求めている人が多い市場なので売却して資産の組み換えも得策かも…というお話でした。ぜひ参考にしてみてください。

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このページでわからない点があれば教えて下さい、不動産一括査定牧場のFPが確認後回答致します。


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