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家の取り壊し費用建て替えの場合や更地にしたい場合の相場を宅建士が解説!

家の取り壊し費用建て替えの場合や更地にしたい場合の相場を宅建士が解説!
注文建築用地を探す場合や建て替えを考えている場合に気になるのが家屋の取り壊し費用ではないでしょうか。「坪単価」で表記されている見積もり額を見ることもあったり、ご近所の噂ではもっと高くかかったと聞いたり。いったい本当のところ価格の相場はどうなっているのでしょうか。なぜそんなに様々な価格になるのでしょうか。

①一般的な解体作業とは

最初に一般的な戸建てのお家を解体する場合の作業の流れを考えてみましょう。


作業内容を理解していると見積書の内容も分かりやすくなります。

(ア)養生
まずは近隣に木屑、破片、埃などが飛び散って迷惑をかけないように「養生」という作業を行います。通常は1日で終わります。家をそのまますっぽりと囲ってしまっているのをみたことがあるかと思います。金属製のパイプや木材で足場を組み、そこを養生シートで覆います。

(イ)瓦等の撤去
法律で分別が定められているため一枚一枚丁寧に撤去していきます。中にはアスベストを含む場合もあるので密閉製の高い容器に入れて回収します

(ウ)設備等の取り外し
給湯機やキッチンなど設備系の機材を撤去します。窓ガラスや土壁もきっちり分別しなくてはいけないため人力で一つ一つ運び出していきます。

(エ)重機を使って解体
いよいよ重機が入ります。大きなハサミのような形をしたユンボという機械で本体を一気に切り刻んでいくように解体します。この廃材の中にも分別しなくてはいけないものがないか確認しながら運び出されます。

(オ)清掃
埃や泥が近隣や道路にまで散乱することもあるため、廃材の撤去後きれいに清掃します。

(カ)整地
新しい建物が建てられるように取り壊し後の土地をきれいに整地します。

いかがでしょうか。これが一般的な解体作業の流れです。建物の構造が鉄骨やコンクリート造の場合も基本的な手順は変わりません(大きなビルなどを除き)建物に使用されている材質により分別や処理費用に費用がかかるので、木造よりも鉄骨造、コンクリート造のほうが解体費も高くなります。

では次に構造別に解体費用の相場と言われているものを見てみましょう

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②建物解体費用の相場とは

構造別に解体費にかかる相場は次のようになります。


木造          2.5万円~6.0万円/坪
鉄骨造         3.0万円~6.5万円/坪
鉄筋コンクリート造   4.0万円~7.0万円/坪

構造別にこのような価格帯が相場と言われています。しかし同じ材質での建物でもその相場価格にはとても開きがありますね。木造の30坪くらいの家を解体する場合、上記の相場価格から単純計算してみると75万円から180万円までも相場価格に開きがあることになります。いったい何を基準にすればもっと実際に近い価格がわかるのでしょうか。

③現場の特徴によってその価格は様々

建築関係の作業で明確な費用を算出するには「積算」という作業が必要です。


機材、撤去費、持ち込みリサイクル会社、メーカー・年式によって変わる設備の解体処分費等を詳細に計算する作業です。一般的な住宅には同じような設備や間取りで家が建っていますが、それでも実際の建物とその附帯設備内容、そして近隣の状況などを考慮した上で積算をしなければきっちりとした額が出せないのです。詳細な現場のチェックが必要ですし時間や手間がかかる作業です。そのような理由からちょっとの問い合わせレベルで得られる回答では「木造で坪単価だいたい〇万円~〇万円までの間です」という幅はあるのが一般的なのですね。

④内容によって費用の額が変わりやすい要素とは

単純な坪単価では実際の価格がわかりづらいことが理解できました。


ではどんな要素が原因で取り壊しの価格に影響してくるのでしょうか。次のような場合があげられます

● カーポートの有無やその大きさ
● フェンスの有無とその材質
● 杭抜きを行うのか残すのか
● 井戸や浄化槽などの地中内障害物の存在
● 重機や作業車の通行ができない道路かどうか
● 近隣地の接面状態
● 有害な物質(アスベスト)を含む材質がないかどうか
● 整地の方法や程度


素人がパッと見た目にはわからないことがいくつもありますね。杭抜きというのは地中に埋まっている建物の躯体(柱など)をそのまま残すのかきっちり抜いてしまうかです。その後の土地の利用方法によって整地の程度も変わります。また後述しますが浄化槽などの処分には地方自治体ごとに規定が決まっていて費用も大きく変わってきます。その他にも屋内外の処分物の量やその種類によってリサイクル法に抵触したりいくつもの処分所に分けて運び出したりしなくてはいけないという理由でも費用が変わってきます。業者の良し悪しが原因ではなく様々な要因から解体工事の相場価格の提示が難しいのです。その点も踏まえて何を基準にして業者を選べば良いのか見ていきましょう

⑤とにかく相見積もりを依頼する

さきほどの例にあげたように、追加でかかる費用によって解体費用の総額は大きく変わります。


その追加費用が出ないようになるべく低予算で解体してもらえる業者を探すためには何社かに見積もりを依頼してみなくてはいけません。

業者によっても得意な分野が変わってきます。大きなビル専門に解体している業者もあれば、戸建ての建て替えを専門に不動産会社やハウスメーカーと提携して年間に何件も解体している業者もあります。大きなビルを解体している業者なら安心かというと全くその逆で一般の家から出る廃材の処理に慣れていなかったり、小さな路地にある戸建てを人力で解体することを嫌がられ断られたりする場合もあります。

同じ種類の建物の解体を得意とする業者をいくつか選び、相見積もりを依頼してみましょう。その段階でざっくりとした相場を提示してくる業者や幅のある価格しか出してもらえない業者は取り敢えず候補から外して良いでしょう。前述したように明確な見積もりを出すためにも人件費等のコストがかかります。相見積もりを依頼しているとわかれば相手にしてもらえないことも少なくないでしょう。そこは割り切ってきっちりと見積もりをしてくれる業者を探し出すことに専念しましょう。

⑥見積もりの内容を細かくチェックしてみる

現場をみてもらい、きっちりとした見積もりを作成してもらえたら次の点に注目してその内容をチェックしましょう。


● 産業廃棄物にかかる処分費
● 附帯構造物(カーポート、物置、ブロック塀など)の
  解体廃棄費用
● 養生や足場の設置費用
● 届出や手続きにかかる費用
  (リサイクル法、道路許可など)
● その他保険などの加入の有無とその費用


最低でもこれらの項目にきっちりと分けて計算がされているほうが信ぴょう性のある見積もり額だと判断できます。また他社の見積もりとかけ離れた額になっている部分はないか確認することでおおよその相場も理解できるでしょう。業者によって処分に大きな差がある場合もあるかもしれません。それはまとめて廃棄するほど効率よく同じタイプの建物の解体を受注していないためコスト高になっているのかもしれません。不明な点は納得のいくまで確認するようにしましょう。

⑦違法性がないかもチェックする

解体業者が廃棄物を違法に投棄するとその責任は依頼者にも課せられるということを認識しておかなければいけません。


受注したいがために格安の見積もりを提示し、違法に処分していたという事例が決して少なくありません。

また地方自治体によっては浄化槽などの処分費を解体業者が費用に組み込めない地域もあります。一部の解体業者が依頼者から受け取った費用で規定に沿った処分をせず、地中に汚物を廃棄するという事件が発覚したからです。こういった決まりのある地域では依頼主が直接各自治体へ浄化槽の処分を申請しなくてはいけません。

また、同じようなことがアスベストを含む建物の解体でも起こり得ます。アスベストが使用されている建物を解体する際には飛び散らないような特別な養生費と処分費がかかります。他社よりもあきらかに破格の安値を提示してくる業者はこの行程を踏まず、違法に処分し安い価格で引き受けようとしている可能性があります。必ず依頼者が厳重にチェックしなければ後で責任追及されてしまいます。

⑧長屋を解体する場合には注意

長屋とは玄関が別となっていて壁を共有して建っている家を言います。


大阪の下町や関西より西のエリアでは多く存在し「テラスハウス」や「タウンハウス」と呼ばれとています。長屋の解体には他の建物にはない「切り離し」と「補修」の技術が必要となってきます。どこの業者でも取り扱ってくれるわけではないようです。残されたお隣の壁を補修する責任は基本的に解体した家の所有者側にあります。共用している柱と壁をきっちりと分断し、残された家の補修費も負担するということです。費用だけではなくお隣の同意を得る必要もあります。

⑨解体費用に使える助成金制度やローンなど

建て替えのために行う解体費用であればつなぎ融資や分割実行ローンを組むことで住宅ローンに充当させることも可能になります。


しかし空き家になっているか老朽化して近所からのクレームや自治体からの指導で解体しなくてはいけない場合はその費用の捻出も大変でしょう。
そんな場合は自治体からの助成金を受けて解体費用のうちいくらかを補えるか検討してみましょう。

現時点(2017年6月)で山梨県以外のどの都道府県でも空き家や古家の解体費用への助成を行っています。概ね次のような条件のような条件を設けて助成している自治体があります。

・昭和56年以前の建物
・解体費の2分の1、3分の1、上限50万~100万
・緊急輸送道路沿線のみ
・平成32年まで実施
・無償で自治体との使用貸借契約を結ぶなど


各自治体によって様々ですが放置している空き家が心配な方はぜひ調べてみてください。また、助成金の対象にならない家を解体したい場合でも各金融機関の「空き家解体ローン」が組めるかもしれません。空き家のリフォームと同じ種類のローンで行っていることが多く、地銀や信用金庫で多く取り扱われています。

● 10万円から500万円くらいまで
● 5~10年までの返済期間
● 金利は2%後半から3%

⑩解体費以外に考慮すべき手続きや費用

忘れてはいけない諸費用をチェックしておきましょう。


・建物滅失登記申請
解体をした建物については土地家屋調査士に依頼して「建物滅失登記」の手続きを行ってもらう必要があります。更地にして売却したい場合にはこの手続きをしておかないと取引が遅れてしまいます。不動産登記法第57条では建物の所有者がその滅失を行った日から1か月以内に申請しなければいけないと定められています。

滅失登記では登録免許税はかかりません。土地家屋調査士への費用はおよそ4万円から5万円です。ご自身で申請することも不可能ではありませんが、取り壊し業者の発行する書面が必要ですし、その業者の所在地が建物を管轄する法務局と同じでない場合には追加の書類も必要です。またもし古い抵当権が残ったままの建物や亡くなった方が登記名義人でその相続人から申請をする場合等は手続きや必要書類が複雑になるため依頼したほうがよいでしょう。

・境界線に関するトラブルがある場合
解体をする場合に意外とトラブルに発展するのが構造物(フェンスやブロック塀)の撤去です。隣地との境界線が構造物で取り決められていることがよくあります。そして所有者が世代交代している場合などはその境界線の主張に食い違いがよく生じます。「ブロックの中心線上だと聞いている」、「こちらのブロックではなくブロックは隣の敷地内だ」と言ったような主張です。長い年月の間に悪気なくお互いが都合のいいように解釈してしまうのですね。

このような場合はいざ解体するとなって揉め事へと発展してしまう可能性があります。土地家屋調査士に介入してもらい話し合いで決着がつけばよいのですがそうならない場合は確定測量を行い、境界を明確にしなくては問題となっている構造物の解体ができません。確定測量には100万円前後の費用がかかる場合が多いので普段から何気なく境界線についてお隣と会話を交わしておくことをお勧めします。

この記事の最後に

・解体費用には相場の価格帯に収まらないケースがよくある
・建物の解体をしたい場合はその工程をよく理解し、お隣近所とのもめごとがないか前もって確認しておく。
・解体業者の規模で判断せず同じタイプの建物の解体を多く取り扱っている業者数社への相見積もりを依頼して内容を確かめる。
・安さだけで判断せずにその処分の方法や手続きの有無も確認し、違法性を見抜く。
・助成金制度などが使えないか自治体などにも相談してみる。


注意すべき点をよくチェックしておきましょう。

少しでもリーズナブルな価格で、近隣の方を含め関係者の方が安心てきる解体ができるように、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

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このページでわからない点があれば教えて下さい、不動産一括査定牧場のFPが確認後回答致します。


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